夏バテ対策の食事は、主食・主菜・副菜をそろれ、食べやすい料理でエネルギーとたんぱく質を補うことが基本です。水分はのどが渇く前から少しずつ取り、汗を大量にかいたときだけ状況に応じて塩分も補います。
ただし、塩分の取りすぎは高血圧や腎臓病などのある人に負担となる場合があります。持病がある人や、強い症状がある人は、自己判断で塩分や経口補水液を増やさず、医療機関や主治医に相談してください。
夏バテ対策の食事は「食べられるもの」だけに偏らせない
夏は食欲が落ちやすくても、炭水化物だけ、冷たい飲み物だけという状態が続くと、体力の回復に必要な栄養が不足しやすくなります。量を一度に食べられないときは、少量を何回かに分けて、主食・主菜・副菜を組み合わせましょう。
| 役割 | 食品の例 | 食べ方の例 |
|---|---|---|
| エネルギーを補う | ご飯、麺、パン、いも類 | おにぎり、冷やしうどん、雑炊など |
| 筋肉や体の材料を補う | 肉、魚、卵、大豆製品、乳製品 | 卵、豆腐、ツナ、鶏肉を料理に加える |
| 体の調子を整える | 野菜、果物 | トマト、オクラ、果物、野菜スープなど |
食欲がないときは、冷たいものだけでなく、温かいスープやみそ汁、やわらかく煮た料理も試せます。脂っこい料理は胃もたれにつながることがあるため、食べにくいときは、焼く・蒸す・煮る調理を選ぶと負担を抑えやすくなります。
夏バテ中に取り入れやすい組み合わせ
- ご飯に卵、納豆、しらすなどを加える
- 麺類に鶏肉、卵、豆腐、野菜を加える
- 食欲がないときに、ヨーグルトや牛乳、豆乳を取り入れる
- 果物だけで済ませず、おにぎりや卵なども組み合わせる
- 香辛料や酸味を使い、食べやすくする
「ビタミンを取れば夏バテが治る」と単純に考えるのではなく、まずは食事全体の量とバランスを保つことが大切です。サプリメントや栄養ドリンクに頼りすぎず、食事がほとんど取れない状態が続く場合は原因の確認が必要です。
水分はのどが渇く前に少しずつ取る
水分は一度に大量に飲むより、暑い場所にいるときや外出中などに、少しずつこまめに取るのが基本です。汗をかいていない通常の場面では、水やお茶などで補給できます。
汗を大量にかいたときは、水分だけでなく汗で失われた電解質も補う必要があります。長時間の屋外活動、運動、作業などで発汗が続く場合は、状況に応じてスポーツドリンクなどを選ぶ方法があります。
飲み物を選ぶ目安
| 状況 | 選び方の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 普段の水分補給 | 水、麦茶など | 一度に無理をせず、こまめに飲む |
| 運動や屋外活動で汗を多くかいた | 水分と電解質を補える飲料 | 糖分や塩分の量を確認する |
| 脱水が疑われる症状がある | 経口補水液が選択肢になる場合がある | 日常の飲料ではなく、表示や医療者の指示に従う |
経口補水液は、脱水状態の人の水分・電解質補給を目的とした飲料です。健康な人が普段の水分補給として常用するものではなく、持病や服薬がある人は使用前に医師や薬剤師へ確認してください。
アルコールは水分補給になりません。また、カフェインを含む飲料や糖分の多い飲料を大量に飲むと、睡眠や食欲に影響することがあります。暑い日に飲む場合も、種類と量を考えて選びましょう。
塩分は「汗を大量にかいたとき」に補う
塩分は、汗を多くかいたときに水分とともに失われます。そのため、炎天下での運動や長時間の作業などでは、水分だけでなく塩分を補うことが役立つ場合があります。
一方、室内で普段どおりに過ごしていて汗をほとんどかいていない場合は、食事以外で塩分を追加する必要があるとは限りません。塩飴や塩分の多い飲料を習慣的に取ると、塩分のとりすぎになる可能性があります。
塩分補給が必要か判断するポイント
- 屋外で長時間過ごしたか
- 運動や作業で汗を大量にかいたか
- 高温多湿の環境にいたか
- 水分だけを飲み続けていないか
高血圧、心臓病、腎臓病などがある人は、塩分や水分の取り方に個別の制限がある場合があります。梅干し、塩飴、スポーツドリンクなどを追加する前に、主治医から指示されている量を優先してください。
夏バテ対策としての食事・水分・塩分の組み合わせ
迷ったときは、次のように考えると判断しやすくなります。
- 汗が少ない日:普段の食事を整え、水やお茶をこまめに飲む
- 汗を多くかいた日:食事に加え、水分と電解質を状況に応じて補う
- 食事が取れない日:少量でも主食・主菜を優先し、長引くなら受診を検討する
- 持病や塩分制限がある場合:自己判断で塩分や経口補水液を増やさない
例えば、屋外で長時間活動した後に汗を多くかいた場合は、水分を取りながら、食事や電解質を含む飲料で補給します。反対に、汗をかいていないのに塩分補給を続けるのは、夏バテ対策として適切とは限りません。
夏バテではなく熱中症の可能性がある症状に注意
強いだるさ、頭痛、吐き気、めまい、筋肉のけいれん、体が熱い、意識がぼんやりするなどの症状がある場合は、単なる夏バテではなく熱中症の可能性があります。
涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめ、本人が自分で飲める場合は水分と電解質を補います。自力で水分を飲めない、意識がはっきりしない、症状が改善しない場合は、無理に飲ませず、すぐに救急車を呼んでください。
食欲低下やだるさが数日続く場合、体重が減っている場合、発熱や下痢・嘔吐を伴う場合も、夏バテと決めつけず医療機関に相談しましょう。
夏バテ対策の要点
夏バテ対策は、食べられる範囲で主食・主菜・副菜をそろえ、水分をこまめに取ることが基本です。塩分は汗を大量にかいたときに補い、汗をかいていないときや持病があるときは追加しすぎないようにします。
まずは、その日に汗をどの程度かいたかを確認し、普段の食事・水分補給で足りるのか、電解質の補給が必要な状況なのかを分けて考えましょう。







