夏バテで食欲がないときの栄養補助は、水分・電解質を補うものと、少量でエネルギーやたんぱく質をとれるものを、症状に合わせて選びます。まずは無理に固形食を食べず、飲み物やゼリー、スープ、ヨーグルトなどを少量ずつ試してください。
ただし、強いだるさ、意識がぼんやりする、体が熱い、吐いて水分がとれないといった症状がある場合は、単なる夏バテではなく熱中症の可能性があります。栄養補助食品で様子を見ず、涼しい場所で体を冷やし、必要に応じて医療機関へ相談してください。
夏バテで食欲がないときに選びやすい栄養補助
選ぶ基準は、食欲のなさだけでなく、汗の量、水分を飲めるか、体重減少の有無、胃腸の状態です。次のように分けると判断しやすくなります。
| 状態 | 選びやすいもの | 選ぶときのポイント |
|---|---|---|
| 汗をかき、水分も不足していそう | 水、麦茶、経口補水液など | 少量ずつ飲む。経口補水液は脱水が疑われるときに使い、普段の水分補給として常用しない |
| 食事は難しいが、飲み物はとれる | 栄養補助飲料、牛乳、豆乳、飲むヨーグルト | エネルギーやたんぱく質の量を表示で確認する |
| 冷たいものや固形物なら少し食べられる | ゼリー飲料、ヨーグルト、バナナ、果物、冷やした豆腐 | 一度にたくさん食べず、数回に分ける |
| 胃が重い、脂っこいものが苦手 | おかゆ、うどん、スープ、卵料理 | 脂肪が多いものや刺激の強いものを避け、消化しやすいものから試す |
水分補給には何を選べばいい?
汗をあまりかいていない場合は、水や麦茶などで補給できます。冷たい飲み物が飲みやすい場合もありますが、胃腸が冷えて不快になる人は、常温に近い温度にしてください。
大量に汗をかいた、下痢や嘔吐がある、尿が少ないなど、脱水が疑われる場合は、塩分などの電解質を含む経口補水液が選択肢になります。経口補水液は脱水状態の人向けで、スポーツドリンクとは成分や用途が異なります。
経口補水液を飲んでも改善しない場合や、飲むと吐いてしまう場合は、自宅で補い続けず受診を検討してください。腎臓病、心臓病などで水分や塩分の制限を受けている人は、使用前に医師や薬剤師へ確認が必要です。
エネルギーやたんぱく質を補うなら何がいい?
食事量が減っているときは、飲み物やゼリーだけでなく、エネルギーとたんぱく質を補える食品を少量ずつ加えます。市販の栄養補助飲料を選ぶ場合は、商品名だけでなく、1本あたりのエネルギー、たんぱく質、糖質、脂質、容量を確認しましょう。
- 牛乳、豆乳、飲むヨーグルト
- ヨーグルト、プリン、卵豆腐
- 豆腐、卵、白身魚を使った料理
- おかゆやうどんに卵を加えたもの
- 栄養補助飲料やゼリー飲料
たんぱく質を補いたいからといって、いきなりプロテインだけに頼る必要はありません。胃腸に負担を感じる場合は、少量の牛乳やヨーグルト、豆腐など、普段から食べ慣れたものを試すほうが無理をしにくいでしょう。
栄養補助食品を選ぶときの確認項目
栄養補助食品は、商品によって含まれる栄養素や飲みやすさが異なります。購入前に次の項目を確認してください。
- 1本・1個あたりのエネルギー量
- たんぱく質、糖質、脂質の量
- 飲み切れる容量かどうか
- 乳成分、大豆、ゼラチンなどのアレルギー表示
- カフェインや刺激の強い成分が含まれていないか
- 糖分や塩分の量が、持病の管理に影響しないか
- 開封後の保存方法と、飲み切るまでの時間
糖尿病、腎臓病、心臓病などの治療中の人や、食事制限を受けている人は、一般向けの栄養補助食品を自己判断で継続して使わないでください。表示を持って、医師や薬剤師、管理栄養士に相談すると確認しやすくなります。
食欲がないときの食べ方のコツ
一度に1食分を食べようとせず、少量を複数回に分けます。たとえば、朝に飲むヨーグルト、昼におかゆ、間食にバナナ、夕方にスープというように、食べられるタイミングで補います。
- まず、水や麦茶などを少量ずつ飲む。
- 飲めることを確認したら、ゼリー、ヨーグルト、スープなどを少量とる。
- 食べられそうなら、おかゆ、うどん、卵、豆腐などを加える。
- その後も食事量が戻らなければ、栄養補助飲料などを補助的に使う。
- 尿の量、体重、発熱、吐き気や下痢の有無を確認する。
食べた直後に気分が悪くなる場合は、量をさらに減らし、脂っこい料理や香辛料の多い料理を避けます。冷たいものが食べやすくても、糖分の多い飲料やゼリーだけが続くと、栄養の偏りにつながるため注意が必要です。
夏バテではなく受診を考えたほうがよい症状
次の症状がある場合は、栄養補助食品を選ぶことよりも、体調の確認を優先してください。
- 意識がもうろうとする、反応が鈍い、まっすぐ歩けない
- 体が熱く、強い頭痛やめまいがある
- 水分を飲めない、または飲んでも吐いてしまう
- 尿が極端に少ない、長時間出ていない
- 高い熱、激しい腹痛、血便などがある
- 食欲不振が数日続く、または体重が減っている
- 持病の症状が悪化している
意識障害や自力で水分をとれない状態がある場合は、緊急性があります。周囲の人がいるなら助けを求め、救急相談や救急車の利用を検討してください。
迷ったときの選び方
汗をかいて水分が不足しているなら、まず水分と電解質を補います。水分はとれているものの食事が少ないなら、ヨーグルト、牛乳、豆乳、卵、豆腐、栄養補助飲料などから、飲みやすく食べやすいものを少量ずつ選びます。
「何を飲むか」よりも、飲めるか、吐かないか、症状が改善しているかが重要です。食欲不振が続く場合や脱水のサインがある場合は、栄養補助で長く様子を見ず、医療機関や薬剤師に相談してください。







